こんにちは。
大阪府高槻市の歯医者、高槻ステーション歯科です。
虫歯が原因で歯を削った場合、詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)で補う治療を行います。
その補う為の素材として、白い素材として注目され適用が認められていた「CAD/CAM(キャドキャム)冠」ですが、2024年6月より白い歯での適用範囲が拡大されました。
こちらの「CAD/CAM(キャドキャム)冠」適用範囲の拡大で、多くの方が保険適用で白い歯での治療が可能になります。
しかし、患者さまには馴染みのない「CAD/CAM(キャドキャム)冠」とはどのような素材なのでしょうか?また、今回適用が拡大された範囲とは?
今回の記事では、虫歯になった場合の白くメタルフリー(金属アレルギーの心配がない)の素材であるCAD/CAM冠について解説させて頂きます。
もし現在、虫歯治療などの補綴素材に、銀歯(メタル)を使用して「見た目」や「治療跡の予後」が気になる方は、保険適用で白い歯であるCAD/CAM冠に変える治療を検討してみてはいかがでしょうか?
CAD/CAM冠は最近になり保険適用での治療範囲が徐々に拡大されています。
今まで、虫歯で歯を削った場合の補綴物といえば銀歯(メタル)や硬質レジン前装冠(メタルに高強度の白い樹脂を張り付けて作られた人工物)などが治療法として一般的でした。
しかし、上記の治療法は問題点があります。
メタルによる審美性の悪さや、メタルが口腔内にあることで金属アレルギーの心配や、隣接する歯やお口の中に与える悪影響です。
見た目が白く、身体への馴染みが良い素材として、セラミックやジルコニアがありますが、こちらは保険適用外になり、治療費が高額になるデメリットがあります。
今回のCAD/CAM冠の適用範囲拡大によって、白い見た目でメタルフリーの治療が、保険適用内で可能になりました。
CAD/CAM冠は、レジン(高強度プラスチック)とセラミック(陶器)を混ぜあわせたハイブリットレジン素材を、コンピューターで設計したデータを基に、機械で削って作り出す、見た目の白い補綴物です。
天然の歯に近い硬さ(強度)、白くて周囲の歯に馴染みやすい自然な色味が特徴です。
CAD/CAM冠のメリットは、保険適用で白い補綴物を選択できる点で、セラミックやジルコニアといった自由診療に比べて治療費を抑えられる、そしてメタルフリー(金属を使用しない)ので金属アレルギーの心配がないという点になります。
2024年6月の適用範囲改訂により、条件付きではありますが、CAD/CAM冠をすべての奥歯で使用する事が可能になりました。
具体的には、第二大臼歯(7番)、第三大臼歯(8番/親知らず)にも保険適用で使えるようになり、これによって前歯部を含むすべての歯に適用が可能になりました(一部条件あり)。
保険適用で白い歯を選択できるのならば、わざわざ高額な自由診療でセラミックやジルコニアを選択する必要がなくなるのでは?
と思われた方も多いと思います。
しかし、それは間違いです。
同じ白い歯とくくっても、審美性や機能性で、保険適用の「CAD/CAM冠」と自由診療の「セラミック・ジルコニア」では大きな違いがあります。
前述したようにCAD/CAM冠は、レジン(高強度プラスチック)に少量のセラミックを混ぜ合わせた(ハイブリッド)させた素材になります。
ハイブリッドと言うと聞こえは良いかもしれませんが、あくまで素材はあくまで混ぜ物(セラミックとレジンのハイブリッド)です。
その為、CAD/CAM冠は「強度・耐久性」が高いとは言い切れません。
割れる、欠けるといったトラブルはもちろん、表面のくすみ、変色、汚れのつきやすさなどの経年劣化は避けられません。
セラミックという素材は本来、「焼成」と呼ばれる焼き上げる作業が入ることで強度や審美性(透明感)が生まれます。
CAD/CAM冠は、色が決まったブロック材を機械で切り出して製作するので、基本的に焼成は行われません。
その為、審美性も強度もセラミックやジルコニアに劣ります。
ただ単純に、保険適用で白い歯を選択できるから!という理由でCAD/CAM冠を選ぶと思わぬ落とし穴もあります。デメリットもしっかり理解しておく必要があります。
・歯に透明感がない(偽物感がある)
・再現できる色調が単色
・表面が劣化しやすく、徐々に性質が下がる
・変色する可能性が高い
・強い力で欠けたり、割れたりする
・傷や歯垢(プラーク)が付きやすい
などなど
今回ご紹介したCAD/CAM冠(ハイブリット)の一部のデメリットを羅列しました。
CAD/CAM冠(ハイブリット)、従来からの金属(メタル)、保険適用外のセラミックやジルコニア、それぞれ長所短所があります。
患者さまのライフスタイルに合わせて、どの素材がご自身に合っているか、歯科医院で相談する事が大切です。
虫歯治療後の補綴物に白いメタルフリーの歯を選択できるようになった事は、患者さまにとってとても良い選択肢が増えたと思います。
過去に金属(メタル)が原因で、治療跡周辺の歯や歯茎が変色したり、歯茎が下がったりと、二次的な疾患の原因にもなり得た事を考えると、今回の適用範囲拡大はとても良い事だと思います。
もちろん、過去に銀歯などで治療をした箇所を、CAD/CAM冠で再治療する事も可能です。
虫歯や変色で見た目が気になる方や、金属アレルギーの心配があるとお悩みがございましたら、CAD/CAM冠での再治療をお勧めしますのでご相談にお越し下さい。
しかし、保険適用での白い歯、メタルフリーのCAD/CAM冠ですが万能ではありません。
強度的な問題や、虫歯や歯周病に罹患しやすい、経年劣化などデメリットもありますので、まずは特徴をしっかり理解して選択する必要があります。
CAD/CAM冠のメリットだけでなくデメリットもしっかりご説明しますので、お悩みがございましたらお気軽にご相談ください。
患者さまにとって、最良な治療法、お悩みを解決するお手伝いをさせて頂きます。
高槻市の高槻駅から徒歩約1分の歯医者
高槻ステーション歯科