こんにちは。
大阪府高槻市の歯医者、高槻ステーション歯科です。
コロナ渦の中で、外食や旅行が規制されそのお金をご自身への投資として矯正治療を実施された方も多いかと思われます。
そんな中で矯正治療のシェアを拡大していたのが『格安マウスピース矯正（LCM）』です。インターネットやSNSで多く広告されており、ご存じの方も多いのではないでしょうか？
通常、上下全顎の矯正治療の場合、100万円弱の治療費が掛かり、治療期間も約2～3年程度と費用面や治療期間で矯正治療を断念していた方が、費用が安価で治療期間が短縮できる格安マウスピース矯正を選択された方も多くいらっしゃいました。格安マウスピース矯正は、矯正治療範囲を限定したり、中間コストを削減したりして安さを実現しています。
しかし、最近になって格安マウスピース矯正でのトラブル報告が増え、更にはこれを提供していた医療法人の倒産など、マイナスな報道が聞こえてくるようになりました。
恐らく、矯正治療の有識者や日本矯正歯科学会は、容易に想像できたトラブルが明るみになってきたという印象があるでしょう。
今回の記事では、格安マウスピース矯正によるトラブルについてお話させて頂きます。矯正治療をご検討の方は、安いからという理由で安易に治療方法やクリニックを選ばず、しっかりとした知識を持ち、ご自身の治療先を選択する事が大切になります。
格安マウスピース矯正の真実
矯正治療の有識者は、格安マウスピース矯正について出だした頃から警笛を鳴らしていました。
全ての格安マウスピース矯正がそうではありませんが、矯正歯科の専門家を介していなかったり、正しい検査・診断が行われていないケースもあり、将来的に問題が表面化され淘汰されると言われていました。
知って欲しいのは、矯正治療は矯正の専門医に治療してもらうのが良いです。
虫歯や歯周病を治療する歯科医師と、矯正治療を扱う歯科医師とは知識の方向が異なり、大学でも専門の学科があるほど、矯正治療にはその道の知識や経験が必要になります。
格安マウスピース矯正は、一般の歯科医師が検査・診断することがあり、正しい噛み合わせまでを配慮した診断がなされていないケースも散見しています。
また、最悪の場合は、歯科医師を介さないビジネスモデルもあると言われています。
こうなった場合、患者さまの歯並びを理想の形に矯正する事は難しく、多くはトラブルに発展するケースになってしまいます。
餅は餅屋です。矯正治療を検討される方は、矯正治療を専門に行う矯正医が在籍する歯科医院での受診が推奨されます。
安い矯正治療でのトラブル例
噛み合わせが損なう
矯正治療で大切なのは、見た目が綺麗に並ぶ歯並びよりも、綺麗に噛み合わせする歯並びです。
格安マウスピース矯正の場合、歯並びの見た目だけで治療を行なっているケースが多く、「歯が動けば治療完了」というコンセプトのマウスピースが宣伝されています。
歯が動くという事は噛み合わせも変わります。お顔全体のバランスを配慮した歯並びに改善する事が大切です。
マウスピース矯正をおこなう場合は、見た目だけでなく噛み合わせまでを考慮された治療を受診する事が大切です。歯並びがよくなったとしても噛み合わせがおかしいと、後戻りの原因になったり、口腔内の状況が悪化する可能性があります。
出っ歯になるリスク
格安マウスピース矯正で出っ歯になるケースも多く報告されています。
歯を動かす隙間がない場合、抜歯の代わりに顎を拡大する場合に起こり得るリスクです。
歯並びをきれいに並べるためには、歯が動くスペースを確保する必要があります。
スペースを確保する方法としては、抜歯や顎を広げる装置（拡大床）を用いるケースがあります。
適切な検査・診断のもと抜歯や顎の拡大が行われる場合は問題ないですが、無理に歯の動くスペースを得るために拡大を行うと、歯が前に傾斜し出っ歯になってしまいます。
歯の動くスペースを確保するにも、適切な診断や検査が必要不可欠になります。
後戻りのリスクが高い
歯並びを短期間で綺麗に動かすには、当然ながら歯を動かす速度を速める必要があります。
元々、マウスピース矯正はゆっくりじっくり歯を理想の位置に動かすのに適した矯正装置の為、短期間で実施しようとした場合、必ず無理が生じます。
「後戻り」とは、矯正治療の完了後に歯が元の位置に動き、治療前の歯並びに戻ってしまう現象です。
歯科医院でマウスピース矯正をおこなう場合、治療後に「リテーナー」という保定装置をつけて後戻りを防ぎますが、格安マウスピース矯正ではこのようなアフターケアが行われないケースがあります。
後戻りすると改めて矯正治療をやり直さなければならず、これまでにおこなった治療はすべて無駄になるため注意しましょう。
格安マウスピース矯正をおこなう場合は、保定装置による治療を受けられるかどうか、そして定期的に検診を受けて矯正の進捗を検査できるかどうかの確認が大切です。
まとめ
大切なのは歯科医院で矯正医が実施する矯正治療と、格安マウスピース矯正での結果や方向性は大きく異なると認識する事です。
歯医者さんで矯正医によって実施される矯正治療は一生に一度の歯並びを改善する治療になります。
格安マウスピース矯正は、少ない期間と安価な費用で、一時的に歯並びの見た目が少し改善する『プチ矯正』と捉えた方が良いかと思います。
当院でも、格安マウスピース矯正のやり直しの矯正を希望される方が増えています。
歯並びがコンプレックスで、噛み合わせまで配慮した一生に一度の矯正治療をご希望される方、矯正後の後戻りを防ぐアフターケアもしっかり受けたい方は、矯正医による治療を選択する事をお勧めします。
格安マウスピース矯正にも需要があり、すべて否定するわけではありませんが、選択する際にはそれぞれの特性を理解し選ぶ事が大切になります。
矯正治療を受診する際には、複数の歯科医院に矯正相談を行い、ご自身の納得できる医院や方法を選ぶ事が重要です。
当院でも無料の初回矯正相談を実施していますので、気になる方はご相談にお越しください。
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