こんにちは。
大阪府高槻市の歯医者、高槻ステーション歯科です。
日本歯科医師会がプロジェクトチームを発足させた新しい取り組み『国民皆歯科健診』。
発表された当時はニュースにも取り上げられ、話題になったのは記憶に新しいのではないでしょうか？
国民皆歯科健診とは、日本では1歳半～3歳までに義務付けられている歯科健診及び、小学生～高校生まで毎年行っている歯科健診があります。
しかし、大学生～大人になると自分で検診を受けに行かなければならなくなるため、歯科健診の受診率が下がり、歯のトラブルを抱える人が多い事から、義務付けられている歯科健診を、大学生・社会人も対象に行うというものです。
今回の記事では、国民皆歯科健診の制度についての解説と、歯科健診の大切さ、導入を進めていている背景など、国民皆歯科健診について解説させて頂きます。
実際に導入されると皆さんにどのような恩恵があるのか説明させて頂きます。
国民皆歯科健診の背景
前述したとおり、1歳半の子供から高校生までは仕組みとして歯科健診を受診する取り組みがありますが、大学生以降になると極端に歯科健診の受診率が下がっているのが現状です。
北欧や米国などの歯科先進国に比べ、日本人の健康な歯の生存率は低く、80歳までに健康な歯を維持している人は極端に少なくなります。
歯科の受診率が低い
日本では、義務化されている1歳半と3歳での歯科健診、小学校～高校まで学校で行われている歯科健診が行われています。
しかし、大学生以降になると自分で歯科健診を受けに行かなければならなくなるため、受診率が極端に低下し、歯の痛みなどの症状が出なければ歯医者さんでを受診をしないという人が多い傾向にあります。
無意識に歯周病に罹患している人が多い
日本人が歯を失う原因の多くは歯周病です。
歯周病は、本人が自覚していない人も含めると400万人前後もいるといわれています。
歯周病は軽度において自覚症状がなく、中等度～重度になるまで症状が現れにくいことが多く、気づかないうちに進行している場合があります。
歯周病は歯を失う原因になりとても怖い病気です。一部の自治体では、40歳から10年ごとに「歯周病検診」を行っていますが、受診率は1割未満ともいわれています。
歯科疾患の早期発見により医療費削減
日本は2007年に超高齢化社会に突入し、ご高齢の方への医療費が年々増している状況にあります。
歯周病に限らず、歯科疾患は進行して重症化すると治療する内容が増え、それに伴って医療費の負担も大きくなります。
国民皆歯科健診を通して早期に疾患を発見できれば、重症化予防・早期治療により医療費負担を減らすことも可能です。
会社などで定期的に行われる健康診断に歯の検診を組み込むことにより、国民皆歯科健診として受診を促進させようという目的があります。
国民皆歯科健診が導入されると？
国民皆歯科健診が導入されると、社会人になってからも健康診断と同じく、会社の取り組みとして歯科健診を受診する事ができます。
歯周病は年齢を重ねる事で罹患するケースも多く、重症化する傾向にあるので、義務的に歯科健診を受診する事で、歯の健康を守る事ができます。
歯や口の健康は全身の健康にも重要であるとの認識が広まり、国民皆歯科健診では、老若男女年代関係なく国民全員が定期的に歯科健診を受けることを目標としています。
歯科検診の義務化はいつから？
日本政府は、国民皆歯科健診制度の導入を『2025年』としています。
具体的な時期や費用の負担先、どうのような検診を対象にするかなどは、今後定かになっていくものと思われます。
いきなり歯科健診が義務化されると言われて混乱される方もいらっしゃるかと思いますが、現時点で受診する方にしなければならないことはありません。
国民皆歯科健診の形態として、企業の健康診断に歯科健診が盛り込まれる可能性があります。
その場合、企業の健康診断担当の方は、新たに歯科検診を社員に受けさせなければなりません。
歯科健診の義務化の可能性に備えて、企業の健康診断担当者の方は、国民皆歯科健診制度の動向をチェックしておく必要があると言えます。
まとめ
日本は歯科後進国と言われています。
それは、80歳までに健康な歯を維持している人は少なく、歯は痛みが出たら歯医者さんへ行くといった認識が強いためと言われています。
歯科先進国では、歯医者さんは歯の健康を守るために通う場所という認識が強く、ご高齢の方でも健康的な歯を維持していたり、子供のうちから矯正治療を受診したりと、歯への健康意識が高いのです。
歯を生涯健康に維持することは心身ともにとても重要です。
20本以上の健康な歯があれば、食生活にほぼ満足することができると言われています。
楽しく充実した食生活を送り続けるためには、生まれてから亡くなるまでの全てのライフステージで健康な歯を保つことが大切です。
それだけ、歯科健診というのは大切で、国民皆歯科健診制度が導入する前でも、定期的に歯医者さんで歯科健診を受診する事をお勧めしています。
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